搬送区分・エリア | 長距離搬送・東京(青梅市)→兵庫(神戸市) |
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年代・性別 | 80代・女性 |
搬送中の観察・処置 | 吸引器、SpO2モニタリング |
娘さんの生活する有馬温泉病院へ
娘さんの生活する兵庫県神戸市にある有馬温泉病院への転院搬送を担当しました。
患者様はお住まいのある都内の近隣の病院に入院しておりましたが、ご高齢であるため、娘さんの生活する兵庫県神戸市の病院へ転院を希望されておりました。転院のご相談をいただいた当初は医療的ケアを継続した状態での転院を想定していたため、十分な医療機材や看護師の同乗も視野に入れてご相談いただいておりました。
その後、受入れ先の病院の変更や感染症の影響などいくつかの事情が重なり、当初の計画から2か月以上転院の時期が遅れてしまいました。しかしこの間、とても嬉しいことに患者様の容体が徐々に回復し、転院時には医療的ケアはほぼ必要ない状態にまで回復しておりました。
とはいえ今回の転院では移送時間が7時間から8時間に及ぶため、万が一の際は医師からの指示で対応できるよう吸引器や酸素ボンベ、カニューレ、生体情報モニタなどの準備を整えました。ご入院中の病院では乗車中の嘔吐を避けるため食事のタイミング調整や、水分が十分に取れない場合に備え事前の点滴なども行って準備をしていました。
ドライバー2名体制で安全に運行
それでも搬送当日は慣れない移動で軽い嘔吐がありました。ご家族により口内の吐瀉物の吸引を十分行っていただき、すべて取り除くことができましたが、万一残ってしまった吐瀉物による誤嚥や気道閉塞などを想定し、SpO2のモニタリングをご家族様にお願いいしました。
幸いその後は、ご気分が悪くなることもなく、安定した状態で長い移送時間を無事乗り切ることができました。転院完了後、長時間に渡る移動で軽い脱水症状や疲労のため1~2日程点滴が必要だったそうですが、その後はお食事も摂れるようになり、穏やかな状態で過ごされているとご家族よりご連絡いただきました。
今回の移動距離は530㎞を超えていたため、ドライバー2名体制で安全に運行を行いました。途中事故や目立った渋滞もなく、行程表の到着予定時間に到着することができました。これからは、娘さんも頻繁に病院に行くことができるようになったと喜んでおりました。
何度となく延期を繰り返しなかなか実現できなかった遠方への転院でしたが、十分な準備もあり半日の時間を費やし実現することができました。一日も早いご回復をお祈りしております。