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インフルエンザで救急車を呼ぶべき症状と目安|民間救急の活用も視野に

 
インフルエンザで救急車を呼ぶべき症状と目安|民間救急の活用も視野に

インフルエンザにかかると、多くの方が「この症状で救急車を呼んでも良いのだろうか」と迷われます。

本記事では、救急車要請の具体的な判断基準や、救急車の代替となる搬送手段について詳しく解説します。東京消防庁認定の患者等搬送事業者として、インフルエンザ患者様の安全な搬送に携わってきた実績を基に、症状別の適切な対応方法をご紹介します。

インフルエンザで救急車を呼ぶべき症状とは

インフルエンザにかかると、発熱や頭痛、関節痛などの症状が現れますが、すべてのケースで救急車の要請が必要なわけではありません。しかし、このような症状が見られた場合は、救急車の要請を検討する必要があります。

  • 呼吸が苦しそう、特に呼吸が浅くて速い
  • 意識障害があり、呼びかけになかなか返事をしない
  • 39℃台の熱が3日以上続いている

特に注意が必要なのは、呼吸状態と意識状態です。医師によると、若い方でも重症化や肺炎を起こすことがあり、インフルエンザ脳症を引き起こす可能性もあるため、これらの症状は要注意とされています。

近年、救急車の出動件数は年々増加しており、令和5年(2023年)中の救急出動件数は約764万件と過去最多を記録しています。救急車の適正利用が社会的な課題となる中、緊急性の判断に迷った場合は、医療搬送の専門機関である民間救急サービスの利用も選択肢の一つとなります。

東京メディ・ケア移送サービスでは、人工呼吸器や生体情報モニタなどの医療機器を完備し、専門的な医療搬送に対応しています。医師や看護師との緊密な連携のもと、インフルエンザ患者様の安全な搬送を実現しています。

インフルエンザで救急車を呼ぶ目安となる3つの症状

インフルエンザにかかった場合、どのような症状なら救急車を呼ぶべきなのでしょうか。埼玉慈恵病院の藤永副院長は、救急搬送が必要となる主な症状として以下の3つを挙げています。

呼吸が苦しい・呼吸が浅く速い

インフルエンザによって呼吸状態が悪化することがあります。特に呼吸が浅く速くなっている場合は要注意です。このような症状は肺炎などの重篤な合併症のサインである可能性があります。

医師は「若くても重症化や肺炎を起こすこともある」と警告しており、呼吸状態の変化は常に注意を払うべき重要な症状となります。特に、呼吸が苦しそうな様子が見られたら、迷わず救急車の要請を検討しましょう。

意識がもうろうとしている

意識障害はインフルエンザの中でも特に危険な症状の一つです。呼びかけてもなかなか返事をしない、いつもと様子が違うといった状態が見られた場合は、インフルエンザ脳症の可能性があります。

インフルエンザ脳症は、インフルエンザウイルスの感染により引き起こされる重篤な合併症です。年齢を問わず発症する可能性があり、早期発見・早期治療が重要となります。意識状態に異変を感じたら、速やかに救急搬送を要請する必要があります。

39度以上の高熱が3日以上続く

インフルエンザによる発熱は珍しくありませんが、39度台の高熱が3日以上続く場合は、重症化のリスクが高まります。高熱が長引くことで脱水症状を引き起こしたり、体力を著しく消耗したりする可能性があります。

インフルエンザ患者の年齢別・救急車要請の目安

インフルエンザの症状や重症化のリスクは、年齢や基礎疾患の有無によって大きく異なります。特に注意が必要なのは、子どもと高齢者、そして基礎疾患をお持ちの方です。年齢や状況に応じた救急車要請の目安を詳しく見ていきましょう。

子どもの場合の救急車要請の目安

子どもの場合、症状が急激に悪化する可能性があり、特に慎重な判断が必要です。これらの症状が見られた場合は、救急車の要請を検討する必要があります。

  • けいれんが5分以上続く
  • 熱がないのにけいれんを起こす
  • 呼吸が苦しそう、または弱い
  • ぐったりしている、様子がいつもと違う
  • 嘔吐が止まらない

高齢者の場合の救急車要請の目安

高齢者は体力や免疫力の低下により、インフルエンザが重症化しやすい傾向にあります。65歳以上の方は特に注意が必要で、早めの対応が重要です。

  • いつもと様子が明らかに違う
  • 立っていられないほどのふらつきがある
  • 強い吐き気がある
  • 普段と比べて顔色が悪い

基礎疾患がある人の救急車要請の目安

基礎疾患をお持ちの方は、インフルエンザによって持病が悪化するリスクがあります。特に下記の疾患がある方は、通常より慎重な判断が必要です。

  • 心疾患や肺疾患のある方
  • 糖尿病や慢性腎臓病を持つ方
  • 免疫力が低下している方
  • 妊娠中の方

インフルエンザで救急車を呼ぶか迷ったときの対処法

「緊急性の高い症状かどうか自分で判断できない」「救急車を呼ぶほどではないけど受診したい」「119番に電話するのがためらわれる」という場合、相談窓口を活用したり、救急車以外の搬送手段を利用することもできます。

救急相談センター(#7119)の活用方法

救急安心センター事業(#7119)は、急な病気やケガをしたとき、救急車を呼んだほうが良いか、今すぐに病院に行ったほうが良いかなど、判断に迷ったときに相談できる窓口です。

看護師などの資格を持つ相談員が、症状を把握して緊急性や救急車要請の要否について助言を行います。緊急性が高い場合には、119番通報へ転送するなどの対応も行っています。

民間救急サービスという選択肢

救急車ほどの緊急性はないものの、専門的なケアが必要な場合は、民間救急サービスの利用が効果的です。東京メディ・ケア移送サービスでは、人工呼吸器や生体情報モニタ、輸液・シリンジポンプなど、患者の容態に応じた医療搬送機器を完備しています。

搬送用人工呼吸器「モナールT60」

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ベッドサイドモニタBSM-1700ライフスコープPT

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一般のタクシーは、インフルエンザの場合、感染予防の観点から利用を断られることがあります。一方、民間救急は医療知識を持つドライバーが対応し、適切な感染対策も実施できます。

当社では医療機器に精通したケアドライバーが、医師や看護師と緊密に連携し、安全な搬送を実現。24時間体制で相談を受け付けており、病院からの一時帰宅や転院など、医療依存度の高い移動にも対応しています。

当社の医療搬送機材について

当社の運賃・料金(関東運輸局認可料金)について

インフルエンザ患者の安全な搬送手段の選び方

インフルエンザ患者の搬送には、症状の重症度や緊急性によって最適な手段が異なります。状況に応じた適切な搬送手段の選び方について解説します。

症状 推奨される搬送手段
呼吸が苦しい、意識障害がある、39度以上の高熱が3日以上続く 救急車での搬送が必要
医療機器の管理が必要な場合 医療搬送車両(民間救急)での搬送
症状の判断に迷う場合 救急相談センター(#7119)に相談

東京メディ・ケア移送サービスは、東京消防庁の認定を受けた患者等搬送事業者(30救指第307号)として、専門性の高い医療搬送に対応しています。人工呼吸器や生体情報モニタ、輸液・シリンジポンプなど、症状に応じた医療機器を完備し、医師や看護師と連携した安全な搬送を実現しています。

また、当社のケアドライバーは、搬送に必要な基礎医学知識や搬送手法、救急法、AED使用法、心肺蘇生法などの認定を取得しており、緊急時にも適切な対応が可能です。

インフルエンザ患者の搬送について、24時間体制でご依頼を承っておりますので、いつでも気兼ねなくお問い合わせください。

まとめ

インフルエンザにかかった際、呼吸が苦しい・浅く速い、意識がもうろうとしている、39度以上の高熱が3日以上続くといった症状が見られる場合は、救急車の要請を検討する必要があります。一方で、救急車の出動件数は年々増加しており、令和5年には約764万件と過去最多を記録しています。

救急車を呼ぶべきか迷った場合は、救急相談センター(#7119)に相談することで、緊急性の判断や適切な対応方法についてアドバイスを受けることができます。また、「救急車を呼ぶほどの喫緊性はなさそうだけど、自力で病院へ行くことは難しい」という場合は、東京メディ・ケア移送サービスのような民間救急サービスの利用も選択肢の一つです。ぜひ躊躇わずご連絡ください。