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インフルエンザでタクシーは乗れる?乗車拒否の実態と代わりの移動方法

 
インフルエンザにかかったら、タクシーは乗れる?乗車拒否の実態と代わりの移動方法

インフルエンザで高熱がある時、病院に行くためのタクシー利用に不安を感じていませんか?法律上は季節性インフルエンザでの乗車拒否はできないとされていますが、実際には対応がバラバラで困ることも。

本記事では、インフルエンザ患者のタクシー利用の実態と、乗車拒否された場合の移動手段、特に感染症対策が整った民間救急車による安全な移動方法をご紹介します。24時間対応の移送サービスもありますので、発熱で移動にお困りの方はぜひ参考にしてください。

インフルエンザに感染したらタクシーには乗れる?法的根拠と実態

冬から春にかけて猛威をふるうインフルエンザ。高熱や関節痛に苦しみながらも、受診のために病院へ向かわなければならない状況は多くの方が経験されているのではないでしょうか。特に一人暮らしの方や自家用車を持たない方にとって、「インフルエンザにかかったらタクシーに乗れるのか」という疑問は切実なものです。

結論から申し上げると、法律上はインフルエンザ患者のタクシー乗車を禁止する明確な規定はありません。しかし実際の現場では、タクシー会社や運転手の対応はさまざまで、乗車を断られるケースも少なくないのが現状です。

インフルエンザ患者のタクシー乗車に関する法律

タクシーなどの旅客運送に関する法的なルールは「旅客自動車運送事業運輸規則」で定められています。この規則の第13条には、タクシー事業者が乗車を拒否できる条件が明記されています。

  • 制止や指示に従わない者
  • 危険物などを携帯している者
  • 泥酔者や他の旅客の迷惑となる恐れのある者
  • 付添人を伴わない重病者
  • 感染症法に定める特定の感染症患者

ここで重要なのは、一般的な季節性インフルエンザは、この法律で定められた乗車拒否の対象となる感染症には含まれていないという点です。法律上は「一類感染症」「二類感染症」「新型インフルエンザ等感染症」「指定感染症」の患者が乗車拒否の対象となります。

つまり、季節性インフルエンザに感染していても、タクシーへの乗車を拒否される理由にはならないのです。

実際のタクシー会社の対応

法的には季節性インフルエンザ患者の乗車拒否はできないとされていても、実態はどうなのでしょうか。現実には、インフルエンザらしき症状がある乗客に対して、タクシー会社や運転手が乗車を断るケースは少なくありません。

当社のご利用者さんの中には、インフルエンザで自宅療養中にタクシーを呼んだところ、運転手が本社と確認した後に乗車を拒否したというケースもありました。

タクシー会社側の対応がバラバラなのには理由があります。タクシーは密閉された空間であり、運転手は様々な乗客と接触するため、感染症に対して敏感にならざるを得ません。特にコロナ禍以降は、感染症対策への意識が高まっていることも影響しているでしょう。

東京メディ・ケア移送サービスでは、医療搬送のプロとして、こうした状況に対応するため、専門的な感染症対策を施した車両や乗務員を配置しています。一般のタクシーでは難しい感染症患者の搬送も、安全に行うことが可能です。

タクシー会社によっては、インフルエンザ患者の乗車に対応する特別なサービスや、事前予約制の対応を設けているところもあります。利用前に複数の会社に問い合わせてみることで、協力的な会社を見つけられる可能性もあるでしょう。

インフルエンザ発症時に病院へ向かう手段

インフルエンザを発症した際、タクシーが利用できない場合、どのような移動手段があるのでしょうか。ここでは、状況に応じた病院への移動方法について考えてみましょう。体調や環境によって最適な方法は変わってきますので、自分の状態に合わせた判断が大切です。

自家用車での移動

自宅に自家用車がある場合、これが最も他者への感染リスクが低い移動手段と言えるでしょう。とはいえ、インフルエンザで高熱のある状態で自分自身が運転することは非常に危険です。

道路交通法第66条では「病気などの理由により、正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない」と定められています。インフルエンザによる高熱や倦怠感は、正常な判断力や反射神経を鈍らせる可能性があります。

徒歩での移動

自宅から病院が近距離にある場合、徒歩で向かうことも選択肢のひとつです。しかし、インフルエンザは単なる風邪とは異なり、急激に体力を奪うことがあります。特に高熱が出ている状態では、短い距離でも歩くことが非常に辛く感じるでしょう。

もし徒歩で移動する場合は、必ずマスクを着用し、人混みは避けるようにしましょう。また、途中で具合が悪くなった場合のために、休憩できる場所を事前に把握しておくことも大切です。

可能であれば誰かに付き添ってもらい、ゆっくりと歩くようにしましょう。水分補給もこまめに行うことが大切です。

家族や知人に頼む

インフルエンザに罹患した際、最も頼りになるのは家族や近くに住む知人かもしれません。特に高熱で体力が落ちている状態では、誰かのサポートがあると心強いものです。

家族や知人に車での送迎を頼む場合は、感染予防のために心がけたいポイントをまとめました。

  • マスクの着用(できれば運転手も着用)
  • 車内の換気(窓を少し開ける)
  • 座席は運転手と離れた位置を選ぶ
  • 会話は最小限にする
  • 移動後は車内の消毒を行う

知人に頼む場合は、相手の状況や感染リスクも考慮する必要があります。特に高齢者や基礎疾患を持つ方、小さな子どもがいる家庭の方などは、感染リスクを心配するかもしれません。そのような場合は、無理に頼むのではなく、専門的なサービスを利用することも検討しましょう。

タクシーが利用できない場合は民間救急の活用も

インフルエンザに罹患し、タクシーでの移動が難しい場合は、専門的な搬送サービスである民間救急車の利用も検討してみましょう。通常の救急車(消防救急車)とは異なり、民間救急車は緊急性の低い患者さんの移動を主な目的としているため、インフルエンザのような感染症の方の移動にも対応可能です。

民間救急車のメリット

民間救急車を利用する大きなメリットは、感染症対策が充実していることです。一般のタクシーでは難しい専門的な感染対策が施されているため、インフルエンザのような感染症の方でも安心して利用できます。

【民間救急車を利用するメリット】

  • 専用の感染対策が施された車両での移動が可能
  • 搬送のプロフェッショナルが対応するため安心
  • 体調に合わせた姿勢(車いす、ストレッチャーなど)での移動ができる
  • 必要に応じて医療機器を搭載した車両も選択可能
  • 24時間対応の事業者も多く、急な発症時にも対応できる

民間救急車は車いすやストレッチャーでの移動にも対応しているため、インフルエンザで高熱のある方や、体力が低下している方でも無理なく移動することができます。体調に合わせた移動方法を選択できるというのは、大きな安心感につながります。

東京メディ・ケア移送サービスの感染症患者の搬送について

東京メディ・ケア移送サービスでは、インフルエンザをはじめとする感染症の患者さんの搬送も行っています。東京消防庁から認定を受けた患者等搬送事業者として、安全かつ確実な搬送を心がけています。

特に感染症患者の搬送においては、他の患者さんや乗務員の安全を確保するため、徹底した感染対策を行っています。インフルエンザやコロナウイルス感染症の患者さんの搬送実績も多数あり、医療機関からの信頼も厚いサービスを展開しています。

搬送車両

東京メディ・ケア移送サービスの民間救急車両
民間救急車両の車内

当社では、感染症患者の搬送に対応した車両を完備しています。一般的な介護タクシー車両に加え、より高度な医療ケアが必要な方のための民間救急車両も用意しています。

感染症患者の搬送時には、車内の飛沫感染や接触感染を防ぐため、必要に応じて以下のような対策を施した車両で対応しています。

  • 運転席と後部座席の間に感染防止シートを設置
  • 搬送後の車内消毒・換気の徹底
  • 使い捨ての防護カバーやシートの使用
  • 医療グレードの空気清浄機の搭載

特にインフルエンザなどの呼吸器感染症の患者さんの搬送では、車内の換気にも細心の注意を払っています。必要に応じて、運転席と後部座席の空間を完全に分離する対策も可能です。

感染症対策

東京メディ・ケア移送サービスのケアドライバーは、患者搬送に必要な知識と技術を持つプロフェッショナルです。全てのドライバーが介護職員初任者研修を修了し、東京消防庁で行われる搬送乗務員基礎講習会を受講しています。

感染症患者の搬送時には、徹底した感染対策を実施しています。

  • 搬送前後の手指消毒の徹底
  • 患者さんへのマスク着用のお願い
  • 搬送後の車内の消毒・除菌作業
  • 乗務員の個人防護具(PPE)着用(マスク、手袋、必要に応じてガウンや防護服)※必要に応じて
  • 使用した防護具の適切な処理

特に重症度の高い患者さんや、医療依存度の高い方の搬送時には、より高度な感染対策を実施しています。当社の代表は医科系大学を卒業し、医療資格(臨床検査技師免許)を有しているため、医学的知見に基づいた適切な対応が可能です。

実際の搬送では、患者さんの状態や医師からの指示に基づき、最適な感染対策を選択しています。インフルエンザ患者さんの搬送時には、状況に応じて防護服を着用したり、車内を区画したりするなど、より安全な環境での搬送を心がけています。

搬送料金

東京メディ・ケア移送サービスの料金計算方法

当社を含めた民間救急車の料金は、「運賃」「機材使用料」「介助料」の3つから成り立っています。

とはいえ、一般的な症状の方であれば、機材の貸し出しや介助は不要な場合が多く、「運賃」のみでのお支払いとなります。

当社の国土交通省関東運輸局認可運賃をご案内します。走行距離や乗車時間に応じて料金が計算されます。参考に、東京都の一般的なタクシーの料金も併記します。

料金項目 東京メディ・ケア移送サービス 一般のタクシー
予約料 400円 500円
迎車料 900円 500円
時間距離併用制運賃 初乗り2km/900円
以後240m/100円
1分30秒/100円(時速10km以下)
初乗り1.096kmまで/500円
以後255mごとに/100円
1分35秒/100円(時速10km以下)

民間救急車による搬送は、一般のタクシーと比べるとやや料金が高くなる傾向はあります。ただ、夜間や休日の急な発熱で病院に行く必要がある場合など、一般のタクシーが利用しづらい状況でも、当社ならば対応可能です。専門的なサービスと安全性を考えると、妥当な価格設定となっています。

インフルエンザなどの感染症患者の搬送の場合、基本料金に加えて感染症対応料が加算されることがあります。これは追加の感染対策や、搬送後の徹底した消毒・清掃に必要なコストをカバーするためのものです。

実際の料金は、事前のお問い合わせ時に詳細な見積りをご案内しています。インフルエンザの症状が軽度で、特別な医療機器が不要な場合は、比較的リーズナブルな料金設定となっていますので、ご安心ください。

まとめ

季節性インフルエンザは法律上タクシー乗車拒否の対象ではありませんが、実際には乗車を断られるケースも多いのが現状です。発熱時は自分での運転を避け、家族のサポートを得るか、感染対策が整った専門サービスの利用を検討しましょう。

東京メディ・ケア移送サービスでは、インフルエンザなどの感染症患者に対応した専門的な搬送サービスを24時間提供しています。適切な感染対策を施した車両と専門の乗務員が、安全かつ確実に医療機関への移動をサポートいたします。発熱で移動にお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。