介護タクシーの料金は、運賃、介助料金、介護機器の使用料金などで構成され、一般のタクシーより複雑な体系となっています。
医療依存度の高い移動にも対応する東京メディ・ケア移送サービスの実例をもとに、介護タクシーの料金相場と仕組み、自己負担を抑えるための補助制度まで、必要な情報をわかりやすく解説します。
介護タクシーの料金体系と計算方法
介護タクシーの料金は、運賃、介助料金、介護機器の使用料金の3つで構成されています。医療依存度の高い方の移動に対応する東京メディ・ケア移送サービスの料金体系に基づき、詳しく説明していきます。
東京メディ・ケア移送サービスの料金
①基本運賃
基本運賃は、国土交通省運輸局の認可を受けた料金体系に基づいて計算されます。移動距離や時間に応じて料金が加算されていく仕組みです。
初乗り運賃と距離・時間制運賃
初乗り運賃は2kmまで900円で、その後は240mごとに100円が加算されます。これは一般のタクシーと同様の距離制運賃の計算方法です。
初乗り運賃 | 2kmまで900円 |
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加算運賃 | 240mごとに100円 |
時間制運賃 | 1時間5,590円(以後30分ごとに2,590円) |
また、長時間の利用や待機が必要な場合は時間制運賃も選択できます。医療機関での待ち時間が長くなる可能性がある場合などは、時間制運賃が経済的な場合があります。
深夜・早朝料金
22時から翌朝5時までの深夜・早朝のご利用については、通常運賃の20%増しとなります。また、基本介助料も夜間(20:00~22:00)は3,300円、深夜(22:00~翌5:00)は5,500円と割増料金が適用されます。
待機料金
医療機関での診察待ちなど、車両から離れての待機時間中も運賃の対象となります。ただし、高速道路走行中は距離制運賃のみが適用され、待機料金は発生しません。
なお、予約料400円、迎車料900円が別途必要です。また、障害者手帳をお持ちの方は運賃が10%割引となり、自治体発行の福祉タクシー券もご利用いただけます。
②介護機器の使用料金
車椅子利用の料金
通常車椅子 | 使用料:無料 基本介助料:1,100円 |
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リクライニング車椅子 | 使用料:2,000円 基本介助料:2,200円 |
通常の車椅子は使用料無料(基本介助料1,100円)、リクライニング車椅子は使用料2,000円(基本介助料2,200円)です。
ストレッチャー利用の料金
基本料金 | 使用料:4,000円 基本介助料:2,200円 |
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夜間(20:00~22:00) | 基本介助料:3,300円 |
深夜(22:00~翌5:00) | 基本介助料:5,500円 |
ストレッチャーの使用料は4,000円(基本介助料2,200円)です。夜間(20:00~22:00)は3,300円、深夜(22:00~翌5:00)は5,500円の基本介助料となります。
その他の福祉機器利用料金
医療用酸素 | 基本:2,000円/200L 追加:500円/50L |
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吸引器 | 整備・消毒料:3,000円 |
人工呼吸器 | 整備・消毒料:24,000円 |
ベッドサイドモニタ | 整備・消毒料:6,000円 |
医療搬送に必要な機器も完備しています。医療用酸素(基本2,000円/200L)、吸引器(3,000円)、人工呼吸器(24,000円)など、専門性の高い医療機器にも対応しています。
③介助料金
乗降介助の料金
基本介助料は1,100円です。これには乗降時の介助や移動中の見守りが含まれます。介護保険が適用される場合は、自己負担が1割~3割となります。
階段介助の料金
階段介助は特殊介助料として1,100円からとなります。状況により複数名での介助が必要な場合は、1名追加につき5,000円が加算されます。
院内介助の料金
生活サポートとして、院内付き添いは最初の1時間4,000円、以後30分ごとに2,000円です。看護師の付き添いが必要な場合は、基本料金(2時間)12,000円となります。
介護タクシーの具体的な料金シミュレーション
実際の利用シーンに応じた料金をシミュレーションしていきます。東京メディ・ケア移送サービスの料金体系に基づき、具体的な計算例を示します。
一般的な通院での料金例(5km未満)
車椅子使用なしの場合
たとえば、自宅から近くの病院への定期的な通院の場合を考えてみましょう。ご自宅のある住宅街から最寄りの総合病院まで、約4kmの移動を想定します。階段のない平坦な道のため、特別な介助は必要ありません。このような一般的な通院では、基本的な乗降介助のみで対応可能です。
基本運賃 | 1,700円(2km:900円+3km分:800円) |
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予約料・迎車料 | 1,300円(予約料400円+迎車料900円) |
基本介助料 | 1,100円 |
合計 | 4,100円(片道) |
基本的な通院利用の場合、介護保険が適用されると基本介助料の自己負担が1割~3割になります。また、自治体の福祉タクシー券を利用すれば、さらに負担を軽減できる可能性があります。
車椅子使用ありの場合
同じ4kmの通院でも、脚力が弱く歩行が困難な方の場合は車椅子での移動が必要になります。玄関から車両までの移動、車両への乗降、病院での移動など、一連の動作に介助が伴います。当社では医療知識を持つケアドライバーが、安全な移乗介助を行います。
基本運賃 | 1,700円(2km:900円+3km分:800円) |
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予約料・迎車料 | 1,300円 |
基本介助料 | 1,100円 |
車椅子使用料 | 無料 |
合計 | 4,100円(片道) |
介助を伴う移動でも、基本の車椅子使用料は無料です。定期的な通院であれば、ケアマネージャーを通じて介護保険を適用することで、介助料の自己負担を抑えることができます。
入退院時の料金例(5-15km)
基本介助のみの場合
入院や退院の場合、荷物の量も多く、移動距離も長くなります。たとえば、自宅から10km離れた専門病院への入院を想定してみましょう。比較的お元気な方で、基本的な乗降介助のみ必要なケースです。入院時の荷物の運搬も、基本介助の範囲内でサポートいたします。
基本運賃 | 4,100円(10km走行の場合) |
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予約料・迎車料 | 1,300円 |
基本介助料 | 1,100円 |
合計 | 6,500円(片道) |
階段介助が必要な場合
エレベーターのない集合住宅2階からの退院の場合など、階段介助が必要になるケースです。体力の消耗を考慮し、安全な階段介助が重要です。当社では、スタッフの経験と専門知識を活かし、スムーズな階段介助を実現します。
基本運賃 | 4,100円(10km走行の場合) |
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予約料・迎車料 | 1,300円 |
基本介助料 | 1,100円 |
階段介助料 | 1,100円 |
合計 | 7,600円(片道) |
階段介助が必要な場合は、安全のため複数名での介助を推奨しています。その場合は1名追加につき5,000円が必要です。
長距離移動の料金例(15km以上)
日帰り利用の場合
遠方の大学病院への通院や、人間ドックの受診など、長時間の外出となるケースです。例えば、都内から埼玉県の専門病院まで、約20kmの移動を想定します。診察や検査の待ち時間も含めて、半日程度の利用となります。
時間制運賃 | 8,180円(1時間半の場合) |
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予約料・迎車料 | 1,300円 |
基本介助料 | 1,100円 |
生活サポート料 | 4,000円(1時間) |
合計 | 14,580円 |
長距離移動では、体調の変化にも配慮が必要です。当社のケアドライバーは、移動中の体調管理や、必要に応じた休憩にも対応いたします。医療機器が必要な場合も、専門的な知識で安全な移動をサポートします。
往復利用の場合
遠方の病院での長時間の検査や、日帰り手術などのケースです。朝の送りから、終了後の迎えまで、一日を通しての利用となります。例えば、都内から神奈川県の専門病院まで、約30kmの往復移動を想定します。
時間制運賃 | 16,360円(3時間の場合) |
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予約料・迎車料 | 2,600円(往復分) |
基本介助料 | 2,200円(往復分) |
生活サポート料 | 8,000円(2時間) |
合計 | 29,160円 |
長距離移動の場合、高速道路料金が別途必要となります。また、待機時間が長くなる場合は時間制運賃が経済的です。医療機器の使用や看護師の同行が必要な場合は、別途料金が加算されます。
これらはあくまで一例であり、実際の料金は走行距離や介助内容、使用する機器によって変動します。事前に詳しい見積もりをご案内いたしますので、お気軽にご相談ください。
介護タクシーの料金補助制度
介護タクシーには、介護保険や自治体の助成制度など、様々な料金補助の仕組みがあります。上手に活用することで、経済的な負担を抑えることができます。
介護保険が適用されるケース
介護保険は「通院等乗降介助」として、介助料金部分に適用されます。ただし、運賃や機器使用料は対象外となります。
適用条件 | ・要介護1以上の認定 ・ケアプランへの記載 ・通院や入退院などが目的 |
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自己負担割合 | ・1割(所得に応じて2割または3割) ・基本介助料1,100円の場合、自己負担は110円~330円 |
例えば、基本介助料1,100円の場合、介護保険1割負担なら実質110円で介助サービスを受けることができます。ただし、運賃や機器使用料は全額自己負担となりますので、ご注意ください。東京メディ・ケア移送サービスでは、ケアマネージャーと連携し、適切な介護保険の活用をサポートいたします。
自治体の福祉タクシー助成制度
対象者 | ・障害者手帳所持者 ・要介護認定者 ・特定疾患医療受給者など |
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助成内容 | ・タクシー券の支給 ・1枚あたり500円~1,000円程度 ・年間利用限度額あり |
東京都の場合、年間24枚のタクシー券が支給される自治体が多く、1回の乗車につき1枚利用できます。当社では、全ての自治体発行の福祉タクシー券に対応しており、医療機関への通院や入退院の際にご利用いただけます。申請方法や支給枚数は自治体によって異なりますので、お住まいの区市町村窓口にご確認ください。
その他の公的補助の活用方法
医療費控除 | ・通院目的の介護タクシー代は医療費控除の対象 ・領収書の保管が必要 |
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障害者割引 | ・運賃の10%割引 ・障害者手帳の提示が必要 |
高額介護サービス費 | ・月々の介護保険利用額の上限を超えた分を後から支給 ・介護保険適用分が対象 |
医療機関への通院で介護タクシーを利用した場合、その費用は医療費控除の対象となります。また、障害者手帳をお持ちの方は、運賃の10%割引を受けることができます。人工呼吸器など医療機器の搬送が必要な場合は、医療保険の適用可能性もありますので、医療機関にご相談ください。
当社では、これらの補助制度を最大限活用できるよう、必要書類の準備や申請方法のご案内もいたします。介護保険の適用や各種助成制度について、お気軽にご相談ください。
介護タクシーの料金を抑えるポイント
事前見積もりをする
介護タクシーの利用前に、具体的な見積もりを取ることが重要です。移動距離、必要な介助内容、利用時間帯、使用する機器などを事前に伝えることで、正確な料金を把握できます。また、距離制運賃と時間制運賃のどちらが経済的かも検討できます。
- 移動ルートと距離を確認し、高速道路の利用有無を検討する
- 待ち時間が長い場合は時間制運賃の方が経済的な可能性がある
- 深夜・早朝料金の対象時間帯は避けられるか確認する
- 複数の事業者から見積もりを取り、料金を比較する
介護保険が適用されるか確認する
介護保険が適用されると、介助料金の自己負担を1割から3割に抑えることができます。ただし、適用には要介護1以上の認定が必要で、通院や入退院など、目的も限定されます。事前にケアプランへの記載も必要となるため、余裕を持って準備することが大切です。
東京メディ・ケア移送サービスでは、介護保険適用の可否について丁寧にご説明し、必要な手続きをサポートいたします。医療依存度の高い方の移動についても、経験豊富なスタッフが適切なアドバイスを提供します。
福祉タクシー券が使えるか確認する
お住まいの自治体が発行する福祉タクシー券を利用することで、運賃の負担を軽減できます。利用条件や申請方法は自治体によって異なりますが、一般的に障害者手帳所持者や要介護認定者が対象となります。タクシー券は1回の乗車につき1枚利用可能で、500円から1,000円程度の金額が設定されています。
当社では、すべての自治体発行の福祉タクシー券に対応しており、障害者手帳をお持ちの方には運賃の10%割引も適用いたします。複数の割引制度を組み合わせることで、より効果的な負担軽減が可能です。
ケアマネージャーに相談する
ケアマネージャーは、介護保険の利用方法や地域の助成制度に精通しています。介護タクシーの利用について相談することで、以下のようなメリットが得られます。
- 介護保険適用の手続きをスムーズに進められる
- 自治体独自の助成制度について最新情報を得られる
- 通所介護など他のサービスとの効果的な組み合わせを提案してもらえる
- 医療機関との連携が必要な場合のアドバイスを受けられる
また、定期的な通院など継続的な利用が必要な場合は、年間を通じた効率的なサービス利用計画を立てることができます。介護保険の限度額管理も含めて、総合的なアドバイスを受けることをお勧めします。
まとめ
介護タクシーの料金は、基本運賃、介助料金、介護機器の使用料金の3つの要素で構成されています。これらの費用は、介護保険の適用や福祉タクシー券の利用など、様々な補助制度を活用することで軽減できます。
東京メディ・ケア移送サービスは、人工呼吸器など高度な医療機器を必要とする方にも対応可能です。医療資格を持つスタッフが、安全で快適な移動をサポートいたします。
料金を抑えるためには、事前見積もりの取得、介護保険の適用確認、福祉タクシー券の利用、ケアマネージャーへの相談など、計画的な準備が重要です。ご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。